2011/10/23

殺風景なガレージで過ごす夜に憧れた。




1971年の映画 ”The Last Run”。
内容は希薄なのでYouTubeの部分だけで充分だが、
夜のガレージシーンは今も僕を魅了する。

ジェリー・ゴールドスミスのもの哀しい旋律が流れ、
今は亡き俳優 ジョージ C. スコットが、
点火時期をチェックするタイミングライトが光り
キャブのシンクロ調整のため吸入音をホースで聞く。

こんな、殺風景なガレージで過ごす夜に憧れた。

ポルトガルの岬を激しくテスト走行するBMW503。
現代の車なら難なくクリア出来るコーナーだが、
豪華な高級カブリオレゆえに1.5トンを超える車重と、
1950年代のエンジン出力に追い付いていない足回りゆえの
劣悪な操縦性を制御する巧みさ。

こんな、荒々しいスポーツカーの扱いに憧れた。

こんな、一人気侭な生活をとず〜と夢見て来た。
僕の故郷には、この映画と同じ様な海沿いの道が多いから
故郷に帰ろうと思った事もあった。
でも、何処も彼処も黄色い追越禁止の道路ばかり。
だから、冨士山麓の山小屋で一人で暮らす。

元F-1メカ I 氏に非科学的だから計器を使えと言われ、
キャブ調整はドイツのMotoMeter製を使うが・・・

ジョージ C スコットの権威主義への反発に憧れた。

1961年「ハスラー」で助演男優賞ノミネート、即座に辞退。
1970年「パットン大戦車軍団」アカデミー主演男優賞、辞退。
1971年「ホスピタル」主演男優賞ノミネート、即座に辞退。

BMW503 (1956-1959) V型8気筒3168cc に憧れた。

アルブレヒト・フォン・ゲルツ伯爵のデザインによる503は、
生産台数 413台のうちカブリオレは僅か139台のため、
超高価なコレクターズ・アイテムとなっている。
同時期ライバルだったメルセデス300SLガルウイングや、
ゲルツ伯爵の代表作507の華やかさに眼を奪われがちだが、
このシックな503に僕は魅了される。

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