2011/11/08

ヴェトロモンターニャでの心暖かい贈物。


夜の闇、黒い森、霧雨、落葉が被う山道。
只の鏡でしかないルームミラーとフェンダーミラーに反射する
後続トラック群のヘッドライトの眩しさが、
小さなワイパーが拭う扇型の視界を白く消してしまうから
ヴェトロモンターニャ高野山での楽しかった二日間を
一瞬に現実に引戻し僕は疲労の極致に達した。
雨の夜のジャガーXK120なんて地獄のクルマでしかない。
ボディを蹴っ飛ばしたくなる感情を辛うじて抑え、
モダンカーの明る過ぎるヘッドライトを呪う。
「古い車で走る夜の苦痛を想像してガードしろ!」と
追走している息子とその親友を理不尽に怒鳴り倒し、
ストレスを発散させるしか術は無い。

ヴェトロモンターニャ20周年の記念の品々が
狭い運転席とトランクに溢れぺぺと僕を圧迫していたが、
その中にとても嬉しいプレゼントがあった。
以前書いたブログの「木の工具箱」を読んで下さった
トライアンフTR3オーナーの井上さんが、
工具箱にと、わざわざ持って来て下さった手提げ木箱だ。

P.F. FARMER LTD. "MUSSELS"
WHOLESALE FISHMONGERS  22 THE CORRIDOR
BILLINGSGATE MARKET  LONDON E.C.3
大昔、ロンドンのビリングスゲート魚市場で使われた
カラス貝を入れた木箱のレプリカらしい。
貝を入れる為の木箱ではあるが、工具箱には最適だ。

彼の優しい気持ちが染み込んだような木肌が、
僕の心を温かく潤した・・・


...

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