2011/12/17

醜悪なイルミネーションに絶望しながら・・・

Photo: http://flic.kr/p/9SW43Y


クリスマスの馬鹿騒ぎが無くなったと喜んでいたが、
今度は醜悪なイルミネーションの氾濫だ・・・

かって日本宣伝美術協会展が華やかだった頃、
デザイナーを志す若者達は、
敗戦により無秩序に復興しつつあった日本の街を
少しでも美しくしたいと使命感に燃えていた。
今も見る道路標識や駅の表示板、非常口のサインなどは
その頃のデザイナー達が残したモノである。

羊飼いの若者が荒涼とした野原で羊を追う映像、
ナレーションが静かに流れるーーー
「僕達は本当に幸せなのだろうか・・・」
かって、TVで流されたサントリーのCFである。
明らかに広告文化は育ちつつあった・・・

当時、アドマンだった僕も広告文化の担い手として
社会的な使命感に満ちていた。

そして、バブル経済は崩壊した。
各企業は、なり振り構わず企業存続のため、
従来の商業至上主義に戻ることを余儀なくされた。
でも、世の中はそれまでの物質的価値観から、
精神的価値観に変わるだろうと
マスメディアは伝え、僕も信じ期待した。

しかし、それは幻想でしか無かった・・・


12月になると子供の頃に読んだ
アンデルセンの童話「マッチ売りの少女」を想い出す。
マッチなんて使わなくなった現在、
若い人達には理解出来ない話ではあるが
僕の世代では誰もが知っている。
だから、せめてクリスマスの日くらいは
静かに過ごしたいと思う。


フランツ・リスト室内管弦楽団の完璧なアンサンブルで
アルビノーニのアダージオ ト短調。
コンサートマスター:オーギュスタン・デュメイ(リンク)
の素晴らしいヴァイオリンには魅了される・・・
Franz Liszt Chamber Orchestra / Albinoni- Adagio in G Minor


このアルビノーニのアダージオは、
第二次世界大戦の連合軍によるドレスデン爆撃で破壊された
旧ザクセン国立図書館の焼跡から発見された
と伝えられている。


...

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