2012/08/03

森の中は美しさに満ちている。山百合が開いた。



数日前から楽しみにしていた山百合の花が開いた。
華麗な花弁は約20cm以上もある。
ウインナ・ワルツを舞踊るイブニング・ドレスの様だ。

僕が山に隠遁して、もう10年になると話すと、
「お寂しいでしょうね〜」などと人は言う。
でも、森の中は美しさに満ちているから寂しくは無い。
競い合う様に咲く野の草花たちが、
風を受けた木々の枝葉や、夜空に煌めく星たちが、
音楽を奏でてくれるから・・・

とは言え、この辺りもすっかり変わってしまった。
昔からの住人は自然派の人が多かったのだが、
最近では人工派の人達が増えて来て、
別荘村と言うより新興住宅地の様に変貌しつつある。
木を切払い花壇を造ったり芝を入れて楽しむ人達。
毎週末には河口湖で花火が打ち上げられ、
富士山の星空を破壊する様を美しいと楽しむ人達。
ココは山の中だ!と以前は叫んだが、
今では、もう諦めてしまった。

そして、毎年8月は僕には辛い季節。
お盆休みをココで過ごす人達が、
土地の業者に頼んで庭の草刈をする季節なのだ。
秋には可愛い花を咲かせる草花たちも、
容赦なく刈取られ、茶色い地面が顔を出す。
ブンブンと草刈機の音が無惨に響く。

***
山百合は外来種だと思っていたが日本特産の百合で、
縄文時代には食用にされた野生種と知り驚いた。
また、1873年のウイーン万博でヨーロッパに紹介され、
その球根は大正時代まで日本の主要輸出品となり、
西洋では栽培品種の母株として重用されたそうだ。


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4 comments:

m.n.改め、灸太郎くん said...

久方ぶりにお邪魔します。メカネタではありませんが(笑)

余暇の過ごし方なども何やら横並びですね。
夏はアウトドア=焼肉・ビール・花火で大騒ぎ、など。

その土地特有の、都市の日常にない環境でリフレッシュするための別荘地やキャンプ場だと思うのですが、
刷り込まれた都市生活者の習慣を植民地のように持ち込んでしまっては、結局日常から逃れられないのでは?と何やら気の毒になってしまいます。

土地の自然風土を愛する以前に、どこまでも自分たちの価値観優先というのは原発や廃棄物処理場、米軍基地などの問題と同根のようにも感じます。

とはいえ、携帯ゲーム機を持ち歩く子供よろしく、いつでもどこでもクルマが頭から離れないわたし自身も同じ穴の貉なのですが…(苦笑)

Keijiさんの周りの環境が保たれますよう願いたく思います。

何やらエラそうなことを書いてしまい失礼いたしました。

投稿名、統一のため変更させていただきました。
(自称くん付けもお恥ずかしい次第なのですが、お許しいただければ幸いです。なにとぞ返信コメントもどうか「様」ではなく「くん」にておねがいします)

pepekeiji said...

m.n.さんは「灸太郎サン」なんですね。
投稿名統一のために「灸太郎くん」、了解しました。

でも、悪徳代議士、古参上司、頼り無い先輩、などが好んで使う
「・・・くん」と言う呼び方、僕は大嫌いなのですが・・・
むしろ、呼び捨ての方が親しみがコモって好きです。アハハ

仰せの様に、今の社会と政治の諸問題は同根ですね。
周囲を海に守られた小さな島国の農耕民族だからでしょうか?
所詮、横並びだと安心出来る小心な民族なのでしょうね。
絶望的気分で、殻に閉じこもっています。

間も無くXK120がリフレッシュを終えて帰ってきますが、
以前の様にワクワク出来ない気分です。

Show said...

Showです。こんばんわ。
山の広場でお会いできなく残念でした。
今回は犬小屋に宿泊した為、こちらの山百合には気づきませんでした。
私も以前はPCを持参して河口湖にいきましたが、今では余程のことが無い限り、自宅に置きっぱなしです。自然を味わうのにネットも携帯も不要のはずなのですが、通話利用に携帯だけはどーしても必要です。つまり私も立派な人工派の一人です。
所詮「別荘地」では絶望的です。いつの日か、本当の自然派になれるような「隠れ家」が欲しいと思っております。

pepekeiji said...

Showさん、

今年、下に大きな駐車場が出来たので、
山の公園駐車場は使われていないそうですね。行けば良かった。
昨日、まだ山百合は咲いていました。衰えた状態で・・・

もう、僕はTVも新聞も止めたので、
PCが無ければシカと同じになってしまいます。
修行僧の様な純粋な自然派は人間と言うより動物と言えます。
だから、意識の上での「自然派」を意味しているのですが。
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